その他境界鑑定に関する問題点

 その他、境界鑑定に関する問題点として、鑑定書に記載する事項や鑑定料などがあげられますが、これらについてはどのようなものでしょうか。

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 鑑定書は、民事訴訟法二一五条(旧民事訴訟法三〇八条)に基づいて、鑑定人が意見を述べるための書面です。したがって、報告文書一般に要求される事項のほかに、鑑定意見が、結果と結果に至るまでの手法を示して説明されます。
 鑑定料については、どこの裁判所も明確な基準は定めておらず、鑑定依頼の都度、土地家屋調査士や不動産鑑定士の報酬規定を参考に、事案の難易度等を考慮して、鑑定人との話合いによって決定しているようです。
 [鑑定書]
 鑑定書は、鑑定人が行った鑑定結果を、裁判所に対し、書面によって意見陳述するための文書です(民訴二一五条)。したがって、鑑定言には、次の事項が記載されなければなりません。
(一)報告文書一般に要求される事項
(二)鑑定意見
 [報告文書一般に要求される事項]
 報告文書一般に要求される事項は、誰が、誰に対して、どのような事柄について、いつ作成した文書かを明らかにする事項です。境界鑑定の鑑定書には、おおむね次の事項が記載されています。
(一)標題 - 鑑定書あるいは境界鑑定言と題されます。
(二)宛先 - 命令裁判所名を記載します。
(三)事件の特定 - 当事者、事件番号、事件名等で特定されます。
(四)作成者 - 鑑定人の住所、資格、氏名を記して押印されます。
(五)作成日 - 一般に裁判所への提出年月日が記載されます。
 [鑑定意見]
 裁判所から命じられた鑑定事項に対する当該鑑定人の意見陳述の部分で、鑑定書の中心を占める部分です。専門的な知識経験や意見を述べて裁判所の判断能力を補充するという鑑定の趣旨、目的から、正確な資料、認識のもとに、専門的知識、経験に基づいて、説得的に結論が導かれていることが文書に表現されていることが要求されます。このため、鑑定書には、次の事項が記載されます。
(一)鑑定の目的と鑑定事項
 本問に該当する部分です。
(二)対象不動産の表示
 鑑定の対象を明らかにします。
(三)鑑定時点
 いつの時点における鑑定結果であるかを示します。
(四)確認資料
 鑑定にあたって用いた資料の範囲を明らかにします。
(五)基本的考え方と留意事項
 鑑定にあたって当該鑑定人がとった基本姿勢と特に留意した事項を示して、鑑定にあたっての総論的な意見を述べます。
(六)鑑定結果とその根拠
 鑑定した結果とその根拠を意見として述べた部分です。ここで各鑑定手法によって査定境界線を得、次いで各査定境界線の調整して鑑定境界線を特定した過程が示されます。その手順は次のとおりです。
 1. 鑑定各手法を適用して、得られた査定境界線を示します。
 2. 1.の各査定境界線を調整して鑑定境界線を決定します。
 3. 2.で決定した鑑定境界線を資料等によって妥当性があるか検証します。
 4. 3.の検証で妥当であると検証されると、これを鑑定境界線として特定して示します。
(七)補足説明
 補足説明が必要な場合にこれを示します。
(八)資料
 鑑定に用いた資料を添付して、客観性を示します。
 [鑑定料]
 鑑定料は、鑑定を申出た当事者が、裁判所へ、交付された保管金提出書に基づいて予納し、ここから裁判所によって鑑定人へ支払われます。
 鑑定料の額については、いずれの裁判所も明確な基準を設けていないようです。そこで実際には、鑑定人受任の打診、打合わせの際に、土地家屋調査士の報酬規定や社団法人日本不動産鑑定協会の報酬規定等を参考にして、事案の難易度、所要期間、費用等を考慮して、裁判所と鑑定人の話合いによって決定しているようです。

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