第一種市街地再開発事業の測量と調査の手順

 第一種市街地再開発事業の準備のため、測量、調査を行う必要がある場合における土地の立入り、障害物の伐除、土地の試掘等の手順はどうすればよいのでしょうか。

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 測量、調査を行う必要は、第一種市街地再開発事業を行う際に必ず起きる問題であり、特に第一種市街地再開発事業においては、常に土地調書及び建物調書を施行地区内のすべての土地及び物件について作成しなければならないこととしているので、測量・調査の必要性は法律上も当然予想されるところですが、このような測量・調査は、立ち入ろうとする土地、建物の所有者及び占有者との話し合いによって実施するのが通例でしょう。しかし、第一種市街地再開発事業の実施を確保するためには、話し合いがつかなくても強制的に測量・調査を行うことが必要であり、施行者その他の者に強制的に測量・調査を行う権限を与えています。
 [測量、調査のための土地の立入り]
 他人の占有する土地に立ち入って測量や調査をすることが認められるのは、事業の施行の準備の場合と、実際に事業を実施する場合です。しかし、このような場合に無条件で他人の土地への立入りを認めることは望ましくないので、施行者や施行者となろうとする者は、都道府県知事の許可を受けてからでないと立ち入ることができないことになっています(再開発法六〇条一項)。
 この場合、実際に立ち入って測量や調査を行うことができるのは、施行者や施行者となろうとする者及び組合を設立しようとする者であり、これらから命じられたり、又は委任をされたりした者、例えば、土地家屋調査土、測量士、不動産鑑定上等も立ち入ることができます。
 なお、組合を設立しようとする者とは、抽象的には将来組合を設立して事業を実施しようとする意思のある者ですが、具体的には第一種市街地再開発事業に関する都市計画に定められた施行区域内の宅地について所有権又は借地権を有するものであり、これらの者に立入りが認められるのは、第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定の公告があった日以後となります。
 [測量、調査のための建築物等の立入り]
 他人の占有する建築物等への立入りは、土地への立入りの場合と異なり、権判者にとっては事業のためとはいえ非常に苦痛に感じられるので、事業計画の決定の公告等があった日以後に認めることとしています(再開発法六〇条二項)。
 [立入りの通知]
 土地や建築物等に立入りを行う場合には、立ち入ろうとする日の三日前までに相手方に通知しなければならず(再開発法六〇条三項)、一方、相手方は、正当な理由がないのに立入りを拒んだり、妨げたりしてはならないとされ(再開発法六〇条六項)、拒んだり、妨げたりした者には、罰則が科せられます。
 また、この立入りが認められるのは、事業に関連して測量や調査を行う必要があるからで、必要な測量や調査と無関係に立ち入ることは、目的の範囲を超えた違法な立入りとなります。
 [土地の試掘等の手順]
 前述は、ただ単に土地又は工作物に立ち入るだけのことで、場合によっては、測量、調査のために障害となる植物、かき、さく等障害物を伐除したり、土地に試掘等を行うことが必要となる場合もあります。
 障害物を伐除しようとする場合には、まず、その障害物の所有者と占有者の同意を求めることになりますが、その同意が得られないときには、市町村長からの許可を受けてからでないと伐除できません(再開発法六一条一項)。
 所有者と占有者がその場所にいないため同意を得ることが困難であり、かつ、現状を著しく損傷しないときには、その同意はいりません(再開発法六一条三項)。
 土地の試掘等を行おうとする場合にも、同意が得られないときには、称道府県知事の許可が必要となります。
 この場合、市町村長が障害物の伐除について許可を与えようとするときは、障害物の所有者及び占有者に意見を述べる機会を与えなければならず、また称道府県知事が試掘等について許可を与えようとするときは土地又は試掘に伴い伐除を必要とする障害物の所有者又は占有者に意見を述べる機会(口頭でも、書面でもよい)を与えなければなりません。
 また、障害物を伐除したり、試掘等を行おうとする場合には、三日前までに関係権利者に通知することも必要です(再開発法六一条二項)。

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