都市計画法

 民法上の原則からしますと、自分が所有する土地をどのように利用しようが自由なはずです。
 しかし、国は数多くの法律を作って土地や建物の不動産利用や売り買いに対して多くの制限を課しています。そして、そのような法令上の制限に関する法律の中で中心的なものとして都市計画法があります。
 都市計画法は読んで字の如く都市を計画的に作るための法律です。では、なぜこのような法律が必要になるのでしょうか。
 都市計画法の目的
 日本は国土に対して人口が非常に多いのでみなが自分勝手に家やビル、工場などを建てると円満な住居生活が害されてしまいます。
 そこで都市は計画的につくる必要がでてきます。この計画的な都市づくりを目的として作られたのが都市計画法です。
 都市計画法の内容
 では、以下都市計画法の内容を具体的に説明していきたいと思います。
(1)都市計画区域、まず、「都市計画区域」の内と外に大きく分けることができます。都市計画区域とは、都市を計画的につくるべき区域、つまり都市計画法によるさまざまな手段、制限がくわえられる区域です。遂に、都市計画区域外は、都市を計画的につくる必要がない区域、つまり都市計画法の制限を加える必要がなく、自由に開発してもよい区域をいいます。
(2)市街化区域と市街化調整区域そして、さらに都市計画法は都市計画区域の中を大きく2つに分けました。これが「市街化区域」と「市街化調整区域」です。市街化区域とは、すでに市街化を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいいます。また、市街化調整区域とは、市街化を抑制すべき区域のことをいいます。そして、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に分けることを「線引き」といいます。が、すべての都市計画区域について、この線引きがされているわけではありません。
(3)用途地域、さらに、市街化区域の中で建物の用途によって細かく地域割りしたものを「用途地域」といいます。そして市街化区域には必ず用途地域を定めなければなりません(都法13)。しかし、市街化調整区域については、原則として用途地域は定められません(都法13)。では、未線引き地域についてはどうかというと、用途地域を定めても定めなくてもどちらでもいいということになります。用途地域には12種類があります(都法9)。
(4)特別用途地区、それでは、いまみた12種類の用途地域で十分かというとそうではなく、それ以外にも特別用途地区というものを定めました(都法8)。特別用途地区は用途地域の中にしか定めることができません(都法9)。特別用途地区には10種類があります。1.特別工業地区、2.文教地区、3.小売店舗地区、4.事務所地区、5.厚生地区、6.娯楽、レクリエーション地区、7.観光地区、8.特別業務地区、9.中高層階住居専用地区、10.商業専用地区
 この特別用途地区については、都市計画法の一部改正法により、次の点が改正されています。
1. 特別用途地区の種類を予め法令上定めず、都市計画の中で定めるものとする。
2. 特別用途地区の指定の目的を明確にする。
(5)高層住居誘導地区さらに、都市計画法の一部改正により、都市計画に、高層住居誘導地区を定めることができることとされました(都法8)この高層住居誘導地区とは、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するために定められたものです。
 (6)高度地区・高度利用地区、その他、用途地域の中に限って定めることができるものとして高度地区、つまり、高い低いに関係なく「高さをそろえましょう」という地区と高度利用地区、つまり、「高度利用を増進しましょう」という地区があります(都法9)。
(7)その他、今まで説明したものと違って、市街化調整区域の中でも未線引区域の中でも行うことができる都市計画のメニューがあります。防火地域・準防火地域・風致地区がそれです。
 また、これまでは、都市計画は、「こういう建物は建てられない」というような消極的なものを説明してきたわけですが、その他積極的な都市計画として、1.都市施設、2.市街地開発事業、3.地区計画といったものがあります。
 不良な市街地の形成をなんとかおさえようとして、開発行為の規制が都市計画法の中に盛り込まれています。つまり、建物を建てるための土地の整地(宅地造成工事など)を行うためには、原則として都道府県知事の許可を必要としました(都法29)。
(1)開発行為とは、まず、都市計画区域内の行為であることが条件となります。そして開発行為を定義づけてみますと、「主として建築または特定工作物の建設を目的とした土地の区画形質の変更」ということになります。
 ここにいう特定工作物は2種類に分けられます(都法4)。
 1. 第一種特定工作物コンクリートプラントとかアスファルトプラントなどがそれにあたります。
 2. 第二種特定工作物ゴルフコースや野球場やテニス場などです。しかし、ゴルフコース以外のものは、1ha未満の場合は許可不要とされています。
(2)許可不要の開発行為、原則として開発行為に該当すれば、知事の許可が必要なのですが、例外として許可のいらないものがあります。まとめると次のようになります。
 法律は、都市計画が決定されると、それに応じて一定の行為を制限しています。このような制限のことを都市計画制限といいます。実は、開発行為の規制も都市計画制限の1つなのです。
 これには、1.都市計画施設の区域内や市街地開発事業の施行区域内での建築制限、2.都市計画事業制限、3.市街地開発事業等予定区域内における制限等があります。この都市計画制限は難しいところですので都合上説明できませんが、興味のある方は、是非他の専門書等にあたって研究されたいと思います。

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