宅地建物取引業者

 宅地建物取引業法上の宅地とは、
 1. 建物の敷地に供される土地
 2. 都市計画法第8条第1項第1号の用途地域内のその他の土地(道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供されている土地は除きます。)
 のいずれかに該当するものをいいます(宅建業法21)。
 1.の「建物の敷地に供される土地」には、現在敷地に供せられている土地だけでなく、供せられる目的で取引される土地も含みます。また用途地域内では、現況または地目がたとえ農地や山林であっても、2.のカッコ内に記載した一定の公共用地以外の土地はすべて宅地となります。
 宅地建物取引業とは、次のどれかを業として行うことです。
1. 宅地建物の売買または交換
2. 宅地建物の売買、交換または貸借の代理
 3. 宅地建物の売買、交換または貸借の媒介
 自ら貸主として宅地建物の貸借を業として行っても宅地建物取引業には該当しません。したがって、貸ビル・貸室業や下宿屋は宅地建物取引業ではありませんが、これらの代理または媒介を業として行うと2.または3.にあたります。
 「媒介」とは、他人間の法律行為の成立に尽力する行為をいいます。
 「業として行う」とは、
 ア 反復継続して行い
 イ それが社会通念上事業の遂行とみることができる程度に至っていること
をいいます。事業の遂行とみるためには、例えば、不特定多数者と取引を行っていることが必要です。したがって、ある会社がその社員に対して借家を斡旋するとか、農家が地所の一部を何年かに一度売却するとかの行為は、宅地建物取引業には該当しません。なお、営利を目的としない行為でも宅地建物取引業にあたります。
 宅地建物取引業者とは、「免許を受けて宅地建物取引業を営む者」のことです。
 免許を受けないで宅地建物取引業を営むことは宅地建物取引業法第12条第1項で禁止されています。
 ただし、免許を受けないでも宅地建物取引業者とみなされ、宅地建物取引業を営める場合があります。
 ア 信託会社および信託業務を兼営する銀行が国土交通大臣に届け出て行う場合
 イ 宅地建物取引業者が死亡した場合等においてその一般承継人が契約に基づく取引を結了する目的の範囲内で宅地建物取引業を営む場合がそれに該当します。
 宅地や建物は、生活の基盤をなすものであり、また、他の財産に比してその価格は高額であるという点において国民にとってきわめて貴重な財産です。したがって、宅地や建物の取引を業として行う者は、社会的にも信用があり、宅地や建物の取引に関する深い知識と経験をもつとともに、相当の資力を有することが必要です。また、宅地や建物の取引に関する事故や紛争についても、事後的に処罰するよりも未然に防止することのほうが効果的です。このため、宅地建物取引業法は、宅地建物取引業を営むことをまず一般的に禁止し、免許制により一定の者についてのみそれを営むことができることにしました(宅建業法3)。
 宅地建物取引業者は、宅地、建物の売買等の専門家ですから、その業務を適正に遂行するためには不動産取引に関する法令、制度、実務等についてとくに深い知識を有しているか、あるいはそのような知識のある者を使用していることが必要不可欠です。そこで、宅地建物取引業法は、宅地建物取引主任者の制度を設け、宅地建物取引業者は、その事務所および国土交通省令で定める場所ごとに一定数の専任の宅地建物取引主任者を置かなければならないこととしています(宅建築法15)。また、一定の事項については、宅地建物取引主任者に行わせなければならないこととしています。
 宅地建物取引主任者とは、本法による試験に合格し、登録を受け、登録をしている知事の発行する宅地建物取引主任者証の交付を受けた者をいいます。試験に合格しただけでは登録を受ける資格ができるだけであり、取引に関する実務経験等を有しかつ欠格要件に該当することなく登録を受けて、はじめて宅地建物取引主任者となる資格が生じます。
 宅地建物取引業者は、その事務所および国土交通省令で定める場所ごとに、専任の状態の宅地建物取引主任者を置いていなければなりません。専任の状態とは、その事務所に常勤し、専ら宅地建物取引業務に従事していることをいいますので、別の事務所と兼務していたり、他の仕事と併せ行っている状態は専任とはいえません。
 この専任の宅地建物取引主任者は成年者でなければならず、事務所については業務に従事する者5名に1名以上の割合で、国土交通省令で定める場所については1名以上設置しなければなりません。「業務に従事する者」とは、営業に従事する者のほか、一般管理部門に従事する者や補助的事務に従事する者も含まれます。
 宅地建物取引主任者は、宅地建物取引業に関する専門的な知識を持つ者として、宅地建物取引業法上特別な業務を行うことができます。宅地建物取引業法上、宅地建物取引主任者でなければ行うことができない業務は、次の3つです。
 a 重要事項の説明(宅建業法35)
 b 重要事項説明書(重要事項の説明の際に交付する書面)への記名押印(宅建業法35)
 c 契約を締結したときに交付する書面(契約書)への記名押印(宅建業法37)
 これ以外の業務、例えば取引態様の明示(宅建業法34)や供託所等に関する説明(宅建築法35の2)は取引主任者以外の者でもできます。

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