不動産登記制度

 不動産登記の機能は、まず第一に、不動産そのものの物理的な状況を明確にすることです。つぎに、不動産に関する権利関係を明確にすることです。その前提として、不動産に関する物権の変動は、登記しなければ、第三者に対抗できないからです(民法177)。
 不動産登記簿は、一筆の土地または一個の建物につき―用紙を備えることになっています。
 不動産登記簿は、不動産ごとに編成します。各様式中には次のものを記入します。
 表題部には、土地または建物の表示に関する事項を記載します。
 表示に関する事項とは、土地または建物の物理的な状態が明らかになる事項をいい、具体的には、土地の場合には、
 a 土地所在地の郡、市、区、町村および字
 b 地番
 c 地目
 d 地積
 e 所有権の登記がない土地については(例えば公有水面の埋立)、所有者の氏名、住所、所有者が2名以上のときはその持分を記載します。
 建物の場合には、
 a 建物所在地の郡、市、区、町村、字および地番
 b 家屋番号
 c 種類、構造および床面積
 d 建物の番号があるときはその番号
 e 附属建物があるときはその種類、構造および面積
 f 所有権の登記がない建物については(表示登記のみの場合で保存登記がない場合)、所有者の氏名、住所、所有者が2名以上のときはその持分を記載します。
 甲区事項欄には、所有権に関する事項を記載します。所有権に関する登記とは、所有権の保存、移転の登記のほか、差押え仮処分の登記などがあります。
 乙区事項欄には、「所有権以外の権利」に関する事項を記載します。「所有権以外の権利」とは、地上権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権などをいいます。
 共同所有者等が5名以上の場合は、表題部または各区の事項欄には1名の者のみを記載し、別に共同人名票を設けて、これに全員の氏名を記載し、これを―登記用紙の末尾に追加編てします。
 登記用紙が、区分建物ごとに表題部、甲区、乙区の用紙が設けられます。しかし、区分建物にあっては、このほかに1棟全体の所在、構造、床面積等を記載した1棟の建物の表題部を各個の区分建物の登記用紙が綴じてある一番前に編てつします。
 登記した権利の優劣は、その登記の前後によるものとされています。したがって、その登記の前後は、登記用紙中同区にした登記については順位番号によります。たとえば、乙区に登記したいくつかの抵当権の順位は、登記した順位、つまり登記所が付した順位番号の若いものが優先することになります。その順位で抵当権者は抵当不動産から他の者に優先して返済を受けることになります。また、別区に登記した権利間の優劣は、受付番号によります。受付番号とは、登記官が申請書を受け取ったときに登記申請を前後を明確にするために、登記所が登記の申請書に記載した番号をいいます。例えば、Aの所有権移転登記とBの抵当権設定登記との優劣は、受付番号の若いほうが勝つこととなり、もしBの登記の受付番号が若ければ、AはBの抵当権付きの所有権を取得したことになり、Bは自己の抵当権を実行することができるのです。
 不動産登記制度は、不動産に関する権利関係を公示することによって取引の安全を図ることを目的とするものですから、登記に関する帳簿等が公開され、一般の人の利用に供されています。
 不動産に関する権利関係を調査し、ある土地や建物について所有者として登記されているものは誰か、またどのような権利が登記されているかを知るには、どうすればよいのでしょうか。それには、登記簿を閲覧する方法と、登記簿の謄抄本の交付を受ける2つの方法があります。
 登記簿の閲覧とは、登記所に出頭して登記簿を直按手に取って確めることです。登記簿を閲覧するには、登記所に閲覧申請書を提出し、一筆につき閲覧手数料を印紙で納付しなければなりません。
 登記簿の謄本を入手しようとする場合には登記所に出頭でも法務局へ請求できます。ただし、公図、地積図、測量図面は、登記所に出頭しないと郵便では、請求できませんし、登記簿の謄本(抄本)交付申請書を提出します。

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