区分所有建物の登記

 建物の表示登記は、新築により専有部分の所有権を原始的に取得した者のみが申請する義務を負うこととされました(不登法93)。また、専有部分の表示の登記の申請は、その1棟の建物に属する他の専有部分の表示の登記の申請とともにしなければならないこととされました(不登法93の2)。
 つまり、新築分譲マンションの場合、分譲業者が1棟の建物に属する全部の専有部分について一括して表示の登記の申請をしなければならないということです。
 共用部分の取扱いで述べたように、規約共用部分については「共用部分たる旨の登記」をしなければ、第三者に対抗できません。この登記がなされると、以後独立して取引の対象とはなりません。この登記は登記簿の表題部になされることになっているので、形式上は表示の登記ですが、実は専有部分と同時でなければ処分できないという趣旨の、一種の処分制限の登記ですので、権利の登記の意味合いをもつ特殊な登記です。
 一体性の原則を前提として、登記については、敷地と建物の登記用紙の双方に両者の一体性を公示した上で、建物登記簿上において、敷地権の種類、割合などを記載することにしました。これにより、所有権移転などの権利の登記は、専有部分の登記用紙のみにすれば足りることとしました。
 専有部分の表題部に敷地権の表示を登記したときは、敷地権の目的となっている土地の登記用紙中、所有権が敷地権になっているときは甲区に、地上権や賃借権が敷地権になっているときは乙区に、登記官が職権で、敷地権たる旨の登記をすることとされました(不登法93の4、93の5、96の2)。これにより、土地の登記簿をみても、当該土地は、敷地権の目的となっており、分離処分できないことが明らかとなります。
 そのため専有部分の取得をすればそれに対応する敷地権も同時に取得したことになります。
 敷地権の表示を登記した専有部分の登記用紙(甲区または乙区)には、原則として、一体的にされた処分の登記のみがされることになります。その登記の効力は敷地権についても及ぶこととし、土地の登記簿への記載省略と登記簿の簡明化を図っています(不登法110の15、140の3)。
 敷地権の表示登記のある区分所有建物について行う不登法、100条2項の保存登記の実質は、専有部分と敷地権の移転です。
 したがって、不登法100条2項の保存登記の場合、登記の申請書には、「登記原因及びその日付」を記載します。(法101条5項が同1項但書を準用していないので通則規定である法36条1項4号を適用します。)
 敷地権が一体化している場合、専有部分と(実質的に)敷地権の移転となりますので登記原因を申請書に記載します。(保存登記にもかかわらず例外的に記載することとなります。)このため原因証書の要件を具備していればこれをもって登記申請ができます。
 要件が具備していなければ申請書副本を添付します。
 本来専有部分と敷地権の移転は、原則は権利者、義務者の共同申請ですが、保存登記の形は、単独申請しかできないので所有権譲渡証明書を添付してその申請人適格を証します。同時に登記の申請を担保するため、共同申請の実質に近づけて登記名義を失う敷地権の登記名義人の承諾書を添付します。
 登記手続上全ての承諾書には、その印鑑証明書を添付します。

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