大都市法と宅地造成規制法

 一般に大都市法と呼ばれているのは「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」のことで、昭和50年に制定、施行されました。この法律は、大都市地域における宅地不足の解消のために、未利用の住宅適地の開発を促進することを目的とします。大都市法は、土地基本法の制定を受けて、平成に入ってからに大幅な改正がなされました。以下改正前から定められていた内容、改正後に定められた内容の順にみていきましょう。
 改正前から定められていた内容
(1)まず、大都市地域の住宅開発の促進のために必要な協議を行えるよう、宅地開発協議会の設置を定めています(大都市法4)。
(2)また、土地区画整理促進区域(大都市法5〜)および住宅街区整備促進区域(大都市法24〜)を都市計画で定め、権利者による自主的開発を促進しました。
(3)そして、土地区画整理促進区域内で行われる特定土地区画整理事業については、次の諸点で一般の土地区画整理法にはない特例が設けられ、農地等を含む地域での事業化を容易にしています。
・施行地区の面積(大都市法12)
・共同住宅区(大都市法13〜)
・集合農地区(大都市法19)
・義務教育施設用地(大都市法20)
・公営住宅等の用地(大都市法21)
(4)併せて、住宅街区整備事業も都市計画法上創設されました。
 改正後に定められた内容
 改正は、住宅地の供給増加を図るための障害になっていた、1.広域体系の不整備、2.促進地域の都市計画決定要件、を見なおすために行われました。もちろん、土地基本法が定めた土地政策の一環としての改正です。それでは改正内容をみてみましょう。
(1)広域計画体系の整備について
 住宅供給の促進のため、国土交通大臣が新たに住宅および住宅地の供給に関する「基本方針」を策定するとともに、関係都道府県はこれに則して「住宅及び住宅地の供給に関する計画」を策定することとしました。また関係都道府県知事は前記の供給計画に従い、住宅市街地の「開発整備方針」を定め、重点的に整備すべき地区を定めることとしました。
(2)要件の緩和について
 住宅地の供給促進を行いやすくするために、促進区域の要件緩和を行いました。第一には、土地区画整理促進区域の指定面積要件を従来の「5ha」から「2ha」に緩和しました。第二は、住宅街区整備促進区域の指定地域要件を従来の「第2種住居専用地域のみ」から「住宅地域を含んでもよい」ことに緩和しました。
住宅間取り
 宅地造成等規制法の目的
 がけくずれというのは自然の山では滅多に起こりません。土を盛ったり削ったりして、自然に手を加えることで起きやすくなります。
 宅地造成等規制法は、宅地造成に伴いがけくずれまたは土砂の流出を生ずるおそれのある市街地または市街地となろうとする土地の区域内での、宅地造成の工事を規制します。
 宅地造成工事を行えぼ、がけくずれと土砂の流出が起きる危険性の高い地域を、国土交通大臣か関係都道府県の申出で指定します。これが「宅地造成工事規制区域」です(造成法3)。
 そして、規制区域内で宅地造成工事を行うためには、造成主はその工事着手前に都道府県知事の許可を受けなけれぼならないという規制があります(造成法8)。
 宅地とは、農地、採草放牧地、森林、公共施設の用地以外の土地のことをいいます(造成法2)。
 次に「造成工事」の意味ですが、以下に示すような一定の規模以上の工事のことをいいます。
 許可申請は造成主が行います。国または都道府県、指定都市が造成主の場合は、都道府県知事との協議が成立すれば許可はあったものとみなされます(造成法1)。
 いままで述べた許可制の他に届出制という制度もあります。また、宅地造成工事規制区域内での保全義務も条文で定められていますし、都道府県知事が必要な改善命令を行うことも定められています(造成法16)。

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