青色申告

 所得税は、申告納税制度を前提としており(その他に源泉徴収制度もあります)納税者自身が自己の所得を正確に計算して申告を行い、その所得に対する税金を自主的に納税することを期待しています。申告納税制度には、白色申告と青色申告の2つがあります。不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき業務を行う人が、一定の帳簿書類を備え付けて、日々の取引を正確に記帳し、税務署の承認を受ければ、青色の申告書の提出をすることができます。
 この青色申告書提出者に対しては、青色申告の特典として、所得の計算上特別の軽減を与えたり、また申告や納税その他の手続の上でも各種の特典が認められています。
 青色申告書を提出するためには、下記の要件を備える必要があります。
 法で定められた帳簿書類を備え付けて、不動産所得の金額にかかる取引を記録し、かつ、保存すること。
 税務署長に青色申告の承認の申請書を提出してあらかじめ承認を受けること。
 提出先は住所と事業所が同一の人は、住所(事業所)の所轄税務署。
 住所と事業所が異なる人は、原則的には同じ。ただし、事業所を選定する届出を両方の税務署に出せば、申告書を事業所の所轄税務署に提出することができます。
 申請期限については、白色申告からの変更や、新規の開業等に応じてます。
 なお、相続の場合で、被相続人の業務を相続人が継承して青色申告をする場合には、被相続人の死亡の日により別の期限が定められています。
 青色申告の承認申請を提出した場合、税務署はその申請書を検討して青色申告の承認または却下を決めることになります。
 この通知は、書面をもってなされますが、「みなし承認」といって申請した年の12月31日までに、承認または却下の通知書が納税者に送付されなければ、申請が承認されたものとみなされます。
 青色申告をする人は帳簿を備えて、毎日の取引を記帳しなければなりません。帳簿の種類は規模の大小によって次のように定められています。
 正規の簿記で記帳する方法
 毎日の継続記録(複式簿記で仕訳をすることになります。)、決算書(貸借対照表と損益計算書)を作成できる、組織的な簿記による方法をいいます。ただし、次によって記帳することもできます。
 簡易式簿記の方法
 売上、仕入、経費等の損益計算書を作成できる程度の簿記(単式簿記)をいいます。備え付けるべき簡易帳簿は、現金出細帳、売掛帳、買掛帳、経費明細帳、固定資産台帳です。
 現金主義簡易簿記の方法
 小規模事業者の収入および費用の帰属時期の特例の適用を受けることにつき承認を得た人。
 備え付けるべき帳簿は、現金主義に基づく現金出納帳および固定資産台帳です。
 この特例は、前々年分の不動産所得の金額および事業所得の金額の合計額が300万円以下の人が適用できます。
 青色申告者が備え付けるべき帳簿書類については、帳簿および決算関係書類については7年間、現金預金取引等関係書類についても7年間(前々年分所得が300万円以下の人は5年間)、その他の書類は5年間の保存が必要です。
 青色申告の承認を受けた人に、次のいずれか1つに該当する事実があれぼ、その事実が発生した年にさかのぼって青色申告の承認が取消されます。取消しにより、取消された年以後に提出された青色申告書は、青色申告書ではなかったとみなされて、各種の特典は適用されません。
 帳簿書類の備え付け、記録または保存が法令どおりになされていない場合。
 帳簿書類について、税務署長の指示に従わなかった場合。
 帳簿書類に取引の隠ぺいまたは仮装の記載があり、その他その記載事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由のある場合。
 青色申告の承認を受けている人が、自ら青色申告を取りやめようとする時は、その翌年3月15日までに届出書を所轄税務署長に提出しなければなりません。
 青色申告者は、税法上各種の特典が与えられています。これらはいずれも税金が軽減されるなど、納税者にとって有利な取扱いとなっています。
 青色事業専従者給与は原則として、全額必要経費になります。
 一定の要件を備えている場合には、45万円の青色申告特別控除額を不動産所得および事業所得より控除できます。また、その他の場合には、10万円の青色申告特別控除額を不動産所得、事業所得および山林所得より控除できます。
 現金主義による記帳が認められます。前々年分の不動産および事業の所得金額が300万円以下の人は、現金主義によって所得計算できます。
 貸倒引当金、退職給与引当金等の一定の引当金や、準備金が設定できます。
 純損失が、翌年以後3年間繰越控除できます。
 純損失の繰戻し還付が受けられます。
 申告所得の更正の制限と更正の理由の付記が認められています。
 不服申立については税務署より更正を受けた場合に異議申立か直接審査請求かを任意に選択することができます。
 青色事業専従者の要件として、納税者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。その年の12月31日現在で年令が15才以上であること。その年を通じて6ケ月を超える期間納税者の経営する事業にもっぱら従事していること。
 ただし、年の途中で開業、廃業等した場合や、事業に従事する親族の死亡等で、事業がその一年を通じて行われなかった場合等には、事業に従事することができると認められる期間を通じて、その期間の1/2を超える期間もっぱら従事すればよいことになっています。
 専従者給与については、「青色事業専従者給与に開する届出書」に記載されている支給時間・支給方法等にしたがって、その記載された支給金額の範囲内において支給した金額で、次の要件を考慮して相当であると認められる場合には、青色事業専従者給与として、青色申告者の必要経費となります。
 労務に従事した期間、労務の性質および提供の程度、青色申告者の事業に従事する他の使用人が支払を受ける給与の状況およびその事業と同種同規模の事業に従事する者が、支払を受ける給与の状況、青色申告者め事業の種類や規模、収益の状況。
 事業所得、不動産所得、山林所得および譲渡所得の損失は、原則として他の黒字の所得から控除されます。しかし、それでも控除できないで残った損失は純損失として、3年間にわたって、各年度の所得から差し引くことができます。
 白色申告者が推計課税により更正されるのに対して、青色申告者に対する更正は、原則として、その帳簿を調査した上で、更正することになります。
 また、青色申告者が所得の調査を受けた結果、更正を受ける場合には、税務署はその更正の通知書に更正の理由を付記しなければなりません。

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