優良賃貸住宅の割増償却

 個人が、一定の新築された賃貸住宅(優良賃貸住宅)を取得し、または賃貸住宅を新築してこれを賃貸の用に供した場合には、その個人の不動産所得の金額の計算上、その賃貸の用に供した日以後5年以内でその用に供している期間に限り、その賃貸住宅の償却費として必要経費に算入する金額を、通常の減価償却費に100分の150(耐用年数が45年以上のものについては100分の170)を乗じた償却額とすることが認められています。
 優良賃貸住宅の割増償却の適用を受けることのできる賃貸住宅とは、次のいずれかに該当するものとされています。
(1)特定優良賃貸住宅
 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に規定する特定優良賃貸住宅のうち、同法第12条第1項の規定による地方公共団体の補助を受けて新築した家屋で、その床面積が125平方メートル以下50平方メートル以上であるもの。
(2)三大都市圏の優良賃貸共同住宅
 三大都市圈の一定の地域において、上記(1)の特定優良賃貸住宅に類するものとして新築又は取得された家屋。
(3)三大都市圈の都心共同住宅
 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法に規定する区域内において建築される賃貸住宅のうち次に掲げるもの。
 都心共同住宅供給事業に基づく建築物に係る賃貸住宅、地区計画等適合建築物に係る賃貸住宅。
 このように、(2)(3)は指定された地域内のみの賃貸住宅が対象となりますが、(1)については地域的な限定がなく、全国どこでも対象となります。
 では次に、それぞれの賃貸住宅について特例適用の要件をみてみましょう。
 特定優良賃貸住宅、これは、民間土地所有者等の土地を活用して、中堅所得者等に対する優良なファミリー向け賃貸住宅の促進を図る観点から認められているもので、特定優良賃貸住宅供給促進法による認定を受けた供給計画(認定計画)に基づき建設される賃貸住宅をいいます。この法律では、賃貸住宅の建設及び管理をしようとする者は、供給計画を作成し、都道府県知事の認定を申請することができることとされており、供給計画の認定を受けて地方公共団体から同法第12条第1項の規定による特定優良賃貸住宅の建設に要する費用の一部の補助を受けて新築された特定優良賃貸住宅が、この制度の対象となります。
住まい
 供給計画の主な認定基準は次のとおりです。
 戸数が10戸以上であること、床面積が50平方メートル以上125平方メートル以下であること、耐火構造または準耐火構造であること、専用の台所、水洗便所、収納設備、洗面設備および浴室を備えていること、資金計画が賃貸住宅建設の事業を遂行するために適切なものであること、入居者は収人分位で25パーセント以上50パーセント以下に当たるものであること(ただし、収人分位で50%を超え80%以下の範囲内で都道府県知事が定める所得の者を入居させることができる)、家賃が近傍同種の家賃と均衡を保ったものであること、原則として入居者は公募・抽選等の公正な方法で選定すること、敷金以外の権利金等は収受しないこと、管理は、原則として賃貸住宅の管理を行うために必要な資力、信用、経験および能力を有する者に委託等を行うこと、賃貸住宅の修繕が計画的に行われること、管理期間が少なくとも10年以上であること。
 三大都市圈の優良賃貸共同住宅は、大都市地域において特に不足している3〜5人のファミリー向けの規模を有する賃貸住宅の建設を促進するため、三大都市圈において、一定の規模を有する賃貸住宅が、完成後、住宅・都市整備公団に対して貸し付けられる場合または、住宅・都市整備公団から取得して限度額家賃以内で賃貸される場合に認められていたものです。
 対象となる地域は、主として次の三大都市圏の地域のうち都市計画法の市街化区域又は用途地域として定められている地域です。
 首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地または同条第4項に規定する近郊整備地帯、近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域または同条第4項に規定する近郊整備区域、中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域。
 対象となる賃貸住宅(優良賃貸共同住宅)は、次のような要件を全て満たす新築後使用されたことのないもので、一般優良賃貸住宅に該当する部分(増築した共同家屋については、その増築部分に限ります。)が対象とされます。
 当該共同住宅が次のいずれかに該当するものであること。
 その各独立部分を区分所有する者がない共同住宅で、床面積の2分の1以上が一般優良賃貸住宅に該当するもの、その各独立部分を区分所有する者がある共同住宅で、床面積の2分の1以上が専ら居住の用に供され、かつ、その者の区分所有する部分の床面積の2分の1以上が一般優良賃貸住宅に該当するもの、耐火構造または準耐火構造を有するものであること、当該家屋の取得価額が3.3平方メートル当たり95万円(耐火建築物については100万円)以下であること、次のいずれかの要件を満たすものであること
 当該共同家屋が、住宅・都市整備公団に対し貸し付けられ、これらのものが賃貸するものであること、住宅・都市整備公団から取得をしたもの(住宅・都市整備公団の民営賃貸用特定分譲住宅制度を利用して取得したものに限ります。)であること
 上記の「一般優良賃貸住宅」とは、次の要件のすべてに該当する各独立部分で住宅として賃貸の用に供されているものをいうこととされています。
 事業に係る使用人の居住の用に供されているものでないこと、その床面積(共用部分を除く。)が50平方メートル以上120平方メートル以下であること、専用の台所、浴室、便所および洗面設備を備えていること、その賃貸が公募の方法により行われるものであること、その賃貸に係る家賃の額が、公営住宅法に規定する計算方法に準ずるものとして国土交通大臣が定める方法によって算定された額を超えないものであること。

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