支払利息の費用性

 事業資金に充てるための借入金の利子は、その計算期間のうちその年に属する期間に対応する部分については必要経費に算入することができます。
 ただし、生計を一にする親族に支払った負債の利子は、その支払いがないものとして取扱われますから必要経費には算入することはできません。
 事業用固定資産購入等の資金に充てるための借入金利子
(1)以前より不動産所得がない場合、初めて不動産賃貸業等を始めた場合に、その事業のための固定資産の購入等に充てるための資金の借入金利子は、その計算期間のうち、その固定資産使用開始前の期間分の利子は、当該固定資産の取得価額に算入しなければなりません。
 その固定資産使用開始後の期間分の利子でその年に属する期間に対応する部分の金額は、必要経費に算入することができます。
(2)以前より不動産所得がある場合、従前から不動産賃貸業等を営んでいて事業用固定資産を取得した場合の借入金利子は、その計算期間のうち、その固定資産使用開始前の期間分の利子は、当該固定資産の取得価額に算入するか、その年分の必要経費に算入することができます。
 その固定資産使用開始後の期間分の利子は、以前より不動産所得がない場合と同じ取扱いで、その年分の必要経費に算入することができます。
 事業用以外の固定資産取得のための借入金利子は、業務用以外のものですから、支払利息について経費性は全くなく、その固定資産使用開始前の期間分の利子は取得価額に算入し、使用開始後の期間分の利子は必要経費には算入できず、個人の生活費の一部となります。
 土地・建物を別々に購入した場合、不動産所得計算上生じた損失の金額のうち、土地借入金利子に対応する部分は損益通算の適用を認めないのが骨子です。
 不動産所得金額の計算上必要経費に算入した土地借入金利子の額が不動産所得の金額を超える場合には、不動産所得の損失の金額全てが損益通算不適用となります。
 不動産所得金額の計算上必要経費に算入した土地借入金利子額が不動産所得の損失金額以下である場合には、損失の金額のうち土地借入金利子に相当する金額については損益通算が認められません。
 土地・建物を一括して購入した場合、まず、土地に対応する借入金の額を算定する必要がありますが、この点について政令では「借入金の額が、土地・建物の別に区分されていない等の困難な事情がある場合」との条件付きで、借入金はまず建物の取得に充てられたものとして、残りの金額を土地の取得に充てたものとして土地対応借入金利子の額を計算することを認めるとしています。
 これによると、例えば自己資金1000万円と借入金4000万円で5000万円のマンション(土地部分2000万円、建物部分3000万円)を取得した場合、借入金を優先的に建物部分取得に充て、差し引き借入金1000万円と自己資金1000万円が土地部分の取得に充てられたものとして計算することができ、土地部分取得にかかる借入金1000万円に対応する利子が損益通算不適用の対象となります。
 なお、借入金の返済についても、土地部分の借入金から返済されたと考えます。

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