新規取得土地等の負債利子の取扱特例

 土地等の取得資金を借入によった場合、一般的な会計直行においては、支払利子については費用処理することが適正な会計処理とされています。
 そこで、税務上の取扱いにおいても上地等を取得するための借入金の利子は、これを取得価額に算入しないことも認めています。
 このことにより法人は新規に土地等を取得し、その取得するための借入金利子を支払時の損金に算入し課税所得を減らす一方、取得土地からの収入は遅らせ法人税の節税効果を意図した財テクとして利用されることとなり、また、そのことが近年の地価高騰の原因にもつながっているとの指摘もされることとなりました。
 そこで、税制調査会の答申において「借入金による土地取得を通ずる企業の税負担回避行為に対処し、あわせて土地の仮需要の抑制を図る観点から、法人の土地取得に係る借入金利子の損金算入を制限する措置を講ずることが適当である」とされたものです。
 制度の概要は次のとおりです。
(1)法人が昭和63年12月31日(以下「基準日」という。)以後に終了する各事業年度終了の時において、基準目以後に取得した土地等を有する場合には、当該土地等に係る負債の利子の額は損金の額に算入しない。
(2)損金の額に算入しない負債の利子の額は、当該土地等の取得価額の6%に相当する額と、期中の負債の利子の額を基にして算出した額とのいずれか少ない金額となる。
(3)負債の利子の損金不算入期間は、当該土地等の取得後4年間とする。
(4)損金の額に算入されなかった負債の利子は、原則として、損金不算入期間の末日を含む事業年度の翌事業年度から4年間で均等額を損金の額に算入する。
(5)収用により取得した土地その他の特定の土地等についてはこの制度の適用はない。
 対象法人は、法人税の納税義務のあるすべての法人とし、基準日以後に終了する事業年度を適用事業年度として、次のすべての要件を満たす場合に、負債の利子が損金不算入となります。
(1)当該事業年度において損金の額に算入された負債の利子の額があること
(2)当該事業年度終了の時において新規取得土地等を有すること
(3)新規取得土地等が上地保有法人の株式または出資である場合には、当該事業年度終了の時において、当該法人が土地保有法人の特殊関係株主等であり、かつ、当該特殊関係株主等が有する株式の総数または出資金額の合計額が当該土地保有法人の発行済株式の総数または出資金額の30%以上であること
(4)当該事業年度に当該新規取得土地等に係る負債利子損金不算入期間が含まれていること
 負債の利子とは、借入金、社債、預金その他の負債の利子の他、手形の割引料、社債発行差金その他経済的な性質が利子に準ずるものも含まれます。
(1)その他の負債の利子に該当するもの
 買掛金を手形払いした場合に負担した割引料相当額、従業員預り金等その他これらに準ずる預り金の利子、金融機関における預金利息及び給付補てん備金繰入額(給付補てん備金繰入額に準ずる繰入額を含む。)、相互会社の支払う基金利息、その他
(2)その他経済的な性質が利子に準ずるもの、生命保険会社等の生命保険契約に係る次の金額
 責任準備金として積み立てられた金額のうち保険料積立金に係る利子相当額、契約者配当等の額のうち利子・配当その他の資産の収益から或る部分の金額、据え置き配当等の額または未払の契約者配当等の額に対して付されている利子に相当する金額、前納保険料に係る利子に相当する金額。
 新規取得土地等は、次の土地等または株式等に該当するものです。
 土地等
 土地等で基準日以後に他の者から取得したものが新規取得土地等に該当します。
 ただし、次の土地等については適用除外とされています。
 一般適用除外、土地等の取得に当たって新規の支払利子が生じないことから適用除外とされるものです。
 他の者からの贈与または出資により取得した土地等、法人税法第50条第1項の規定の適用を受ける交換ただし、次の交換に該当する場合には適用除外としない。
 その交換に伴い交換差金等の交付をする場合、交換事業年度に負債利子損金不算入期間が含まれている新規取得土地等を交換譲渡資産とする場合。
 特別適用除外、法人の土地取得が節税または投機目的でないことによる適用除外です。土地収用法等の規定に基づく収用により取得した土地等、都市計画法第7条第1項の市街化区域と定められた区域外の地域内にある農地法第2条第1項に規定する農地または採草放牧地、地方公共団体、住宅・都市整備公団または地域振興整備公団から取得した土地等でこれらの者が首都圏の近郊整備地帯および都市開発区域の整備に関する法律第2条第6項に規定する工業団地造成事業により造成したもの、その他。
 株式等
 その有する資産が主として土地等である法人の株式または出資で基準日以後に取得したものおよび基準日以後に取得した株式または出資でその取得した日後に土地保有法人の株式等に該当することとなった株式等が新規取得土地等に該当します。
 その有する資産が主として土地等であるとされる株式等は、その有する資産の価額の総額に占める土地等の価額の合計額の割合が70%以上である法人の株式または出資です。
 調整取得価額と基準取得価額、調整取得価額
 新規取得土地等の取得価額から次の額を控除した金額となります。
 造成のために要した費用の額、当該新規取得土地等の取得価額に算入された負債の利子がある場合には、当該負債の利子の額、当該新規取得土地等が交換により取得した土地等である場合には、当該交換により譲渡した土地等の譲渡直前の帳簿価額に相当する金額。
 基準取得価額、基準取得価額は、損金不算入額の計算の基礎となる金額です。
 販売用土地等以外の新規取得土地等の場合、基準取得価額は、調整取得価額と同額です。新規取得土地等が販売用土地等である場合。

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