土地の届出制

 規制区域以外の区域については全国にわたり届出制が実施されています。届出制は、地価水準の形成および土地利用に対して大きな影響力があると考えられる大規模な土地取引を価格と利用目的の点から規制し、その波及効果によって適正かつ合理的な地価水準の形成、適正な土地利用の実現を図るものです。
 具体的には、規制区域以外の区域を対象とし、一定規模以上の一団の土地についての取引の当事者が都道府県知事に対して予定対価の額および利用目的を届出ることになります。この届出を受理した都道府県知事は、状況によっては契約締結の中止、予定対価の引き下げ、利用目的の変更等を勧告することができます。
 なお、下記の場合には届出の必要がありません。
1. 届出を要する面積未満である場合
2. 規制区域内にある場合
3. 調停に基づく場合
4. 国等が当事者である場合
5. その他
 届出を要する土地売買等の契約は、許可を要する土地売買等の契約と同一ですが、届出制が許可制と大きく異なる点は、以下に示す面積未満の土地の売買契約の締結の場合には届出を要さないということです(国土法23、27の3)。
1. 監視区域が指定されている区域にあっては都道府県知事が定めた面積
2. 監視区域が指定されていない区域においては
(a)市街化区域にあっては2000平方メートル
(b)市街化区域を除く都市計画区域にあっては5000平方メートル
(c)都市計画区域以外の区域にあっては1万平方メートル
 ただし、上記の面積未満の土地についての土地売買等の契約であっても、当事者の一方または双方が上記の面積以上の一団の土地について土地に関する権利の移転または設定を行うこととなる場合には、届出を要するものとされます。
 なお、一団の土地とは、土地利用上現に一体の土地を構成し、または一体としての利用に供することが可能なひとまとまりの土地で、当事者の一方または双方が一連の計画のもとに土地に関する権利の移転または設定を行おうとするその土地をいいます。
 取引の当事者からの届出は市町村長を経由して都道府県知事に提出され、それに基づいて以下のような措置がとられます。
 都道府県知事は、届出に係る事項が次の基準に該当し周辺地域の適正かつ合理的な土地利用を図るため著しい支障があると認められるときには、土地利用審査会の意見を聴いた上、契約締結の中止、予定対価の引下げ、利用目的の変更等必要な措置を講ずるよう勧告することができます(国土法24)。
 これらの勧告は、届出があった日から3週間以内にしなければなりません(国土法24)。
1. 予定対価の額が著しく適正を欠く
2. 土地利用目的が土地利用基本計画等に適合しない
3. 公共、公益的施設の整備予定からみて、または周辺環境の保全上、明らかに不適当
4. 監視区域に所在する土地についての取引に係る届出があった場合に、その土地が1年以内に自らの利用等に供されることなく実需者以外の者に転売されるとき。
 宅地、マンション等の分譲については、届出制の適用除外として事前確認制度が設けられています。
 この事前確認制度とは、分譲等を行おうとする者が、あらかじめ、土地の予定対価額が価格の勧告要件に該当しない旨の都道府県知事の確認を受けた場合で、かつ、知事が当該確認に係る価額が勧告要件に該当しないと認められる期間を定めたときは、当該期間内に土地売買等の契約を締結するときは、届出を行うことを要しないというものです。
 ところで、この事前確認制度の対象となるのは、分譲地については、
(a)住宅施設用地は、面積500平方メートル以下の区画
(b)医療施設、購買施設その他の居住者の共同の福祉または利便のため必要な施設の用に供する土地については、面積1000平方メートル以下の区画。
 マンション敷地については、土地に関する権利の移転または設定が区分所有権の移転と併せて行われ、かつ、土地に関する権利が建物区分所有者の共有となるものです。

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