特定資産の買替えの課税の特例

 特定資産を買換えた場合の圧縮記帳制度は法人(清算中の法人を除きます。)が、原則として昭和45年4月1日からその有する特定の資産を譲渡した場合において、その譲渡の日を含む事業年度において、特定の資産を取得し、かつ、取得の日から1年以内に、その取得した資産(買換資産)をその法人の事業の用に供したときまたは供する見込みであるときは、その買換資産について、一定の算式により計算した金額(圧縮限度額)の範囲内で帳簿価額を減額することが認められるというものです。
 なお、その譲渡をした日を含む事業年度において買換資産を取得しなかった場合でも、一定の条件の下にその圧縮限度額を特別勘定として経理することが認められます。
 また、特定の資産を交換した場合においても、これを買換えとみなして圧縮記帳の規定が適用されることとされています。
 この圧縮記帳の規定の適用を受けるためには、その買換えが次に掲げる要件に適合することが必要です。
 譲渡資産の区分ごとに、その譲渡資産に対応して定められている買換資産を取得するものであること
 譲渡資産は固定資産であること
 原則として譲渡の日を含む事業年度において買換資産を取得しなけれぼならないこと、なお、譲渡の日を含む事業年度の翌事業年度開始の日から1年以内に買換資産を取得する見込みであり、かつ、取得をした日から1年以内にその資産をその法人の事業の用に供する見込みであるときは、その圧縮限度額相当額を特別勘定として経理することが認められます。
 また、買換資産の建設等に要する期間を考慮して、譲渡資産のその譲渡をした事業年度開始の日前1年以内に限り買換資産を先行取得することが認められています。
 買換資産は、その取得の日から1年以内に、一定地域内にあるその法人の事業の用に供さなければならないこと、なお、その取得の日から1年以内に事業の用に供する見込みである場合にも圧縮記帳ができますが、取得をした日から、1年以内に事業の用に供しないときまたは供しなくなったときは、そのときにおいて圧縮記帳による損金算入額を益金の順に算入しなければなりません。
 譲渡資産の譲渡は、次に掲げる譲渡を含まないこと
 収用等に伴い代替資産を取得した場合の圧縮記帳または特別控除の規定が適用される譲渡、この場合、現にその適用を受けているかどうかには関係がありません。
 贈与、出資または代物弁済としての譲渡、2000万円の特別控除の特例または1500万円の特別控除の特例の適用がある資産の譲渡については、この圧縮記帳の規定とのいずれか一つの選択適用をすることができます。
 圧縮記帳をすることができる譲渡には、土地等を使用させることによりその土地の価額が2分の1以下に減少する場合のその使用させる行為(借地権の設定)も含まれます。
 買換資産には、贈与、交換、出資または代物弁済により取得したものを含まないこと
 買換資産が土地等である場合には、圧縮記帳の適用を受けようとする部分の面積が、譲渡資産の面積に一定の倍数を乗じて算出した面積以内であること
 確定申告書等に損金算入に関する申告の記載があり、かつ、当該確定申告書等にその損金の額に算入される金額の計算に関する明細書の添付があること
 確定申告書等に譲渡資産の所在地が既成市街地等内であることまたは買換資産の所在地が市街化区域以外の地域内であること等を証する市町村長等が発行する証明書を添付すること。
 圧縮基礎取得価額とは、買換資産が先行取得した減価償却資産である場合を除き、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額をいいます。
 買換資産の取得価額
 買換資産に係る租税特別措置法第65条の7第1項の表の上欄に掲げる資産の譲渡の対価の額(既にその譲渡に係る対価の額の一部に相当する金額をもって取得した当該各号に係る他の買換資産で買換えの特例の規定の適用を受けるものがある場合には、当該他の買換資産の取得価額に相当する金額を控除した金額です。)
 なお、この差益割合は原則として個々の譲渡資産ごとに計算することになっていますが、次の場合にはそれぞれ次に掲げる資産ごとに一括してその計算をすることができます。
 土地等と当該土地等の上に存する建物または構築物を一括して譲渡した場合、その一括して譲渡した土地等および建物または構築物
 同一事業年度中に租税特別措叙法第65条の7第1項の表の各号の上欄の区分を同じくする2以上の資産を譲渡した場合、当該区分を同じくする2以上の資産
 譲渡した一団の土地にその取得時期または取得価額の異なるものが含まれている場合、当該一団の土地
 また、譲渡に要した経費とは、例えば、次に掲げるようなものが含まれます。
 譲渡に要したあっ旋手数料、謝礼、譲渡資産が建物である場合の借家人に対して支払った立退料、譲渡資産の測量、所有権移転に伴う諸手続、運搬、修繕等の費用で譲渡資金を相手方に引き渡すために支出したもの
 また、土地等の上にある資産または建物内に施設されている資産について、その土地等または建物の譲渡に関する契約の一環として若しくはその譲渡のために取り壊しまたは除去を要する場合には、その取り壊しまたは除去により生ずる損失の額(これらの資産を移設する場合において、その取得価額に算入すべきものを除きます。)は、譲渡に要した経費の順に含まれます。
 圧縮限度割合は、原則は80パーセントとされていますが、次に掲げる買換えに該当する場合にはそれぞれの割合によります。
 構造改善事業等を営む法人の構造改善または事業転換のための買換えの場合、60パーセント
 工業再配置促進法の移転促進地域から誘導地域内への工場移転に伴う買換えの場合、90パーセント
 過度集積地域から特定の拠点地区への事務所または研究所用の土地等および建物の移転に伴う買換えの場合、90パーセント
 長期所有土地等から既成市街地等以外の地域内にある減価償却資産への買換えの場合、80パーセント
 震災特例法に係る買換え、100パーセントまたは80パーセント
 なお、圧縮限度額の計算に当たっては、次の点に留意する必要があります。
 差益割合の計算は、原則としてその事業年度で譲渡した租税特別措置法第65条の7第1項の表の上欄に掲げる資産ごとに計算します。
 差益割合の計算上、譲渡に要した経費がある場合には、譲渡対価の額から控除しないで、その額を譲渡直前の帳簿価額に加算します。
 同一事業年度で上記の表のいずれか一の号の規定の適用を受ける買換資産が二以上ある場合には、譲渡資産の対価の額は、それらの買換資産のうち一の買換資産の取得価額に達するまでその取得に充てられたものとし、次にその残額について他の買換資産の取得価額に達するまで順次充てられたものとして計算します。この場合、対価の額がいずれの買換資産からまず充てられたものとするかは、法人の任意です。
 先行取得資産については、それが減価償却資産の場合、既に圧縮前の取得価額により減価償却をしていますので、その分だけ圧縮限度額を少なくすることとしています。

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