土地類似有価証券の定義

 土地を譲渡するよりも、有価証券を譲渡する方が、現在の税率では安くなります。この点に目をつけて、法人の土地を譲渡してもらうより私法人の株式を譲渡してもらうことが行われています。この行為は、形式的には株式という有価証券の譲渡ですが、実質的には土地そのものの譲渡に他ならないものと言えます。そのため、法人税法では、土地保有割合が一定以上の法人の株式(土地類似株式等)の譲渡で、事業等譲渡類似に当たる株式等の譲渡に当たるものについては、本来の有価証券の譲渡と同一に扱わず、土地の譲渡に準じて規制しています。
 土地類似有価証券とは、形式的には株式の譲渡でありながら、実質的には土地の譲渡に他ならないものを規制しようとするものです。したがって、株式の譲渡によって、土地の支配権そのものが移転するようなものでなければなりません。すなわち、ごく少数の株式を譲渡しただけでは、土地の支配権を獲得することはできませんので、特別税率は適用されることはありません。このように、支配権の面から、法人税法は次のような特別税率適用要件を定めています。
 当該株式の譲渡をした事業年度終了の日以前3年以内のいずれかの時において、当該株式の発行法人の特殊関係株主等発行法人の株主およびその株主と、法人税法施行令第4条に規定する特殊の関係のある者が、発行済株式総数の30%以上の株式を所有しており、かつ株式を譲渡した者がその特殊関係株主等であること。
 当該事業年度に、1年に換算して発行済株式総数の5%以上を譲渡し、かつその事業年度終了の目以前3年以内に、合計15%以上の株式を譲渡していること。1年に換算する株式数は、譲渡株数に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算する。
 その株式の譲渡は、上場株式市場での譲渡、店頭売買登録銘柄株式の証券会社の取次ぎによる譲渡、株式公開の方法によって行う譲渡のいずれでもないことが必要です。
 土地保有割合が70%以上というような株式の譲渡は、実質的に土地そのものの譲渡に該当しますので、株式の譲渡益に特別税率が適用されます。
 総資産の価額のうち、当該法人が所有していた土地等で所有期間が2年以下の土地等だけでは70%未満であるが、当該土地等と所有期間が2年超5年以下の土地等との合計でみると70%以上になる法人の株式等を譲渡した場合には、短期所有上地等に係る土地重課の対象となります。このため、当該株式の譲渡は所有期間が5年を超えているときでも、土地等の譲渡に準ずることになります。
 総資産の価額のうちに占める土地等の価額の合計額の割合以上である法人の株式で、当該株式の譲渡をした者がその取得をした日から引き続き所有していたもののうち所有期間が5年以下または2年以下であるものが該当します。このような株式は、当該株式の短期間での譲渡が、実質的に土地等の短期間の譲渡と同様のものといえます。このため、5年以下の場合は短期所有土地等に係る土地重課の適用があります。これら以外の場合の譲渡のときには原則として一般的な土地重課の適用があります。
 なお、土地保有割合は譲渡した日の現況で判断しますので、譲渡日現在の土地等の価額は容易に知ることができるのですが、総資産の価額は決算期でなければ知ることができません。そのため、簡便計算によって総資産価額を算定することができます。
 また、土地類似株式等を判定する場合において、その判定しようとする株式等の発行法人の有する借入金等の債務に、発生の合理性がなく、その判定を免れるためのものと認められるもの、たとえば、借入金と預金の両建経理があるときは、その債務はないものとして判定されます。

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