土地宅地の評価

 相続税および贈与税は、相続、遺贈(死因贈与を含む。以下同じ)または贈与(死因贈与を除く。以下同じ)により取得した財産の価額を基に税額が算定されます。したがって、その取得した財産の価額を算定することは、非常に重要な意味をもってきます。
 相続税法では、特別の定めのあるものを除き、相続、遺贈または贈与により取得した財産の価額は、その財産の取得の時における時価により評価することとされています。
 しかし、現実問題として時価を的確に把握することは容易ではありません。そのため、国税庁では、相続税、贈与税および地価税の各種課税財産の具体的な評価方法を「財産評価基本通達」により定めています。
 この「評価基本通達」は、その後、国税庁資産評価企画官による「財産評価基本通達質疑応答事例」(質疑応答事例)が公表されています。
 これらは、土地の形状、立地条件等の多楡既にかんがみ、個討既の強いケース等の評価方法について、国税庁の取扱いの方針を公表したものと思われますが、質疑応答事例、および、その後課税庁により発行されている解説書等の中には「財産評価基本通達」の取扱いの修正とみなされるものもあり、具体的評価については充分留意することが必要でしょう。
 評価原則、評価基本通達では、その評価の原則として主に次の事項を定めています。
 評価単位、財産の価額および債務の金額は、個々の評価単位ごとに評価して、その合計額をもってその有する財産の価額または債務の金額とする、いわゆる個別評価方法を原則としています。
 共有財産の持分、共有財産の持分の価額は、その財産の価額をその共有者の持分に応じて按分した価額によって評価します。
 区分所有に係る財産、区分所有に係る財産の各部分の価額は、その財産の価額を基とし、各部分の使用収益等の状況を勘案して計算した各部分に対応する価額によって評価します。
 客観的な各種影響の加味、財産の評価に当っては、その財産の価額に影響をおよぼすべきすべての事情を考慮します。しかし、現実にはどの程度まで影響を加味するかは、非常に難しい問題です。そこで、土地の形状、利用状況等あらかじめ類型的に想定できる主なものは評価基本通達にその増減割合等を明示しています。
 土地宅地の評価、評価基本通達に示されている宅地の原則的評価方法には、路線価方式と倍率方式とがあります。
 路線価方式は、原則として、市街地的形態を形成する地域にある宅地を評価する際に用いられます。
 倍率方式は、路線価以外の宅地を評価する際に用いられます。
 実務では、その地域毎に毎年、国税局長が財産評価基準として定めて公表していますのでこれに基づいてその評価を行います。措置の一部を改正する法律により廃止されるとともに、相続または遺贈により財産を取得した方で、土地等について「取得価額による課税の特例」が適用されたものについて、一定の場合に相続税額が減額される経過措置が講じられました。
 なお、「取得価額による課税の特例」は、開始する相続にかかる相続税について適用されないこととされましたが、相続にかかる相続税については、納税者の選択により、この特例を適用することができます。
 さらに、相続又は遺贈により財産を取得した者で、土地等について「取得価額による課税の特例」の適用を受けているものについては、次の1.の相続税額が2.の金額を超える場合には、2.の金額をもってその者の税額控除を行う直前の相続税額(その者が相続税法第18条の規定により相続税額の2割加算が行われている者である場合には、2割加算後の金額)とする経過措置(経過措置)が設けられました。
 1. 経過措置の適用前の相続税額(税額控除を行う直前の金額。その者が相続税法第18条の規定により相続税額の2割加算が行われる者である場合には、2割加算後の金額。)
 2. 特例土地等(建物等は含みません。)の取得価額を相続開始時の時価(相続税の課税価格にその価額が加算される生前贈与財産である特例上地等については、贈与時の時価)に置き換えて再計算した場合の相続税の課税価格に相当する金額の100分の70に相当する金額)
 なお、経過措置が適用になる方の納付すべき税額(差引税額)は、2.の金額から贈与税額控除等の税額控除額を控除した金額となります。

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