宅地の利用区分に応た評価

 宅地の評価方法は、路線価方式と固定資産税評価額倍率方式によって原則評価されますが、さらに、宅地の利用状況等に応じて評価額が修正されます。
 大規模工場用地(地積が5万平方メートル以上をいう。路線価地域においては「地区」の定めにより大工場地区に所在するものに限る。)の評価は、次の区分によります。ただし、その地積が20万平方メートル以上のものは、次の価額の95%にて評価します。
 路線価地域に所在する大規模工場用地の価額は、正面路線の路線価にその地積を乗じた価額で評価します。
 倍率方式により評価する地域に所在する大規模工場用地の価額は、その固定資産税評価額に倍率を乗じた価額で評価します。
 余剰容積率の移転がある場合の宅地の評価は、次の区分によります。
 余剰容積率を移転している宅地(建築基準法の規定による容積率の制限に満たない延べ面積の建築物が存する宅地(余剰容積率を有する宅地)で、その宅地以外の宅地に建築基準法の規定による容積率の制限を超える延べ面積の建築物を建築することを目的とし、区分地上権、地役権、賃借権等の建築物の建築に関する制限が存する宅地をいう)の価額は、評基通までに基づいた評価額に、設定された権利の内容、建築物の建築制限の内容等を勘案して評価します。ただし、次の算式により評価することができます。
 A×(1-B/C)
 上の算式中の「A」「B」および「C」は、それぞれ次によります。
「A」=余剰容積率を移転している宅地について、路線価方式または倍率方式により評価した価額
「B」=区分地上権の設定等に当たり収受した対価の額
「C」=区分地上権の設定等の直前における余剰容積率を移転している宅地の通常の取引価額に相当する金額
 余剰容積率の移転を受けている宅地(余剰容積率を有する宅地に区分地上権、地役権、賃借権の設定を行う等の方法により建築物の建築に関する制限をすることによって建築基準法の規定による容積率の制限を超える延べ面積の建築物を建築している宅地をいう)の価額は、評基通までに基づいた評価額に、建築基準法の規定による容積率の制限を超える延べ面積の建築物を建築するために設定している権利の内容、建築物の建築状況等を勘案して評価します。
ただし、次の算式により評価することができます。
 D×(1+E/F)
 上の算式中の「D」「E」および「F」は、それぞれ次によります。
「D」=余剰容積率の移転を受けている宅地について、路線価方式又は倍率方式により評価した価額
「E」=区分地上権の設定等に当たり支払った対価の額
「F」=区分地上権の設定等の直前における余剰容積率の移転を受けている宅地の通常の取引価額に相当する金額
 私道の用に供されている宅地は、さきの宅地の評価方法によって評価した価額の60%に相当する金額によって評価します。
 ただし、その私道が不特定多数の者の通行の用に供され一般の公道と変わらないような場合には、その私道の価額は評価しないこととされています。
 借地権の目的となっている宅地の価額は、自用地としての価額から、借地権の価額(借地権の取引慣行のない地域においては、借地権割合を100分の20として計算した価額)を控除した金額を土地の底地部分の評価額とします。
 定期借地権の目的となっている宅地の評価は次のようにして行います。
 一般定期借地権の目的となっている宅地のうち、普通借地権の地域区分A地域、B地域及び普通借地権の取引慣行のない地域は次の原則的評価方法によります。
 自用地価順一定期借地権の価額、自用地価額一白用地価額×一定の割合のいずれか低い方が評価額となります。
 相続または贈与等の時において「相当の地代」に相当する地代が支払われている貸宅地およびその土地の貸借につき法人税法基本通達の規定による「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の子の貸宅地の評価額は、原則として自用地としての評価額の80%相当額とされます。
 なお、「土地の無償返還に関する届出書」が使用貸借に係る土地について提出されている場合には、その使用貸借に係る貸宅地の評価額は、自用地としての評価額によります。
「相当の地代」とは、その土地の自用地としての評価額の過去3年間(課税時期の属する年以前3年間)の平均額のおおむね6%に相当する年間地代をいいます。
 ただし、貸宅地の評価額の計算式にいう「相当の地代の年額」は、借地権設定時に権利金の授受が行われているかどうかにかかわらず上記により計算します。
 「通常の地代」とは、その地域において通常支払われる地代の額をいいます。
「通常の地代の額」が不明のときは、その土地の自用地としての相続税評価額から借地権割合による借地権価額を控除した金額(底地価額)の課税時期の属する年以前3年間の平均額に対しておおむね6%相当額を「通常の地代の年額」とみなして計算してもよいこととなっています。
 貸宅地の評価額を自用地としての評価額の80%相当額によって評価する場合には、その土地が被相続人が同族関係者となっている同族会社に貸し付けられている土地であるときは、その会社の株式の評価計算上、その土地の自用地としての評価額の20%相当額が借地権の価額として計算されることとなります。
 貸家の目的に供している宅地の価額は、その宅地の自用地としての価額から、その自用地としての価額に、その宅地に係る借地権割合とその貸家に係る借家権割合との相乗積を乗じて計算した価額を控除した金額によって評価します。
 造成中の宅地の価額は、その土地の造成工事着手直前の地目により評価した課税時期における価額に、課税時期までにその造成工事に投下された費用現価の80%相当額を加算した金額によって評価します。この造成工事費用現価とは、課税時期までの投下費用を課税時期の価額に引き直した額の合計額をいいます。
 借地権の価額は、借地権の目的となっている宅地の自用地としての価額に地域ごとに定める一定の割合を乗じて評価します。この場合の一定の割合を借地権割合といいます。
 ただし、借地権の設定の対価として通常権利金その他一時金を支払う取引慣行のない地域の借地権については、課税の対象にはされないことになっています。
 なお、相当の地代等の支払がされている場合、「土地の無償返還に関する届出書」の提出がされている場合等は、次のように借地権の価額を評価します。
 「相当の地代」が支払われている場合、または「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の評価額は、原則としてないものとされます。
「相当の地代」には満たないが「通常の地代」の年額よりは相当高額な地代が支払われている場合の借地権の評価額は、次の算式により計算した金額とされます。
 定期借地権等の価額は、次のいずれかによることとされています。「原則」 課税時期における借地権者に帰属する経済的利益とその存続期間を基として評定した価額によって評価します。
 貸家建付借地権とは、他人から宅地を借り受け、その宅地の上に建物を建築して他人に貸し付けている場合の家主の有する借地権をいいます。
 貸家建付借地権の価額は、借地権の価額の借地権の評価から、その価額に貸家に係る借家後割合を乗じて計算した価額を控除した金額によって評価します。
 転貸借地権とは、借地権者がその宅地を自ら使用することなく、他人に転貸している場合の当該借地権者の有する借地権の価額をいいます。
 転貸借地権の価額は、借地権の価額から、その価額にさらに借地権割合を乗じた価額を控除した金額によって評価します。
 転借権とは、借地権をいわゆる「また借り」している場合におけるその権利をいいます。
 転借権の価額は、借地権の価額に、その宅地の借地権割合を乗じて計算した金額によって評価します。
 区分地上権の価額は、その区分地上権の目的となっている宅地の自用地としての価額に、その区分地上権の設定契約の内容に応じた立体利用阻害率を基とした割合を乗じて計算した金額によって評価します。
 この場合において、地下鉄等の険道の所有を目的として設定した区分地上権を評価するときにおける区分地上権の割合は、100分の30とすることができることとされています。
 区分地上権に準ずる地役権の価額は、その区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の自用地としての価額に、その区分地上権に準ずる地役権の設定契約の内容に応じた立体利用阻害率を基とした割合を乗じて計算した金額によって評価します。
 この場合において、区分地上権に準ずる地役権の割合は、次に掲げるその承役地に係る制限の内容の区分に従い、それぞれ次に掲げる割合とすることができることとされています。
 家屋の建築が全くできない場合、100分の50またはその区分地上権に準ずる地役権が借地権であるとした場合にその承役地に適用される借地権割合のいずれか高い割合、家屋の構造、用途等に制限を受ける場合、100分の30
 個人と個人の間で行われる使用貸借に係る土地または借地権の評価は、原則としてこれらの土地等の上にある建物等が自用であるか、貸付けに係るものであるかの区分に関係なく、すべて自用のものであるとして評価することとなっています。
 なお、貸家のみを相続または贈与され、その敷地は使用貸借とした場合の土地のように、使用貸借の開始以前では、貸家建付地として評価されるような土地等の評価については、借家人の有する宅地等に対する権利は、使用貸借の開始前後を通じて変更がないものとして、貸家建付地等として評価します。
 借家人の、その借家の敷地である宅地、借地権または転借権に対する権利は、次の2つの区分によって評価されます。ただし、借家人の宅地に対する権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものについては評価しないこととなっています。
 建物の所有者がその宅地の所有者または借地権者の場合、借地権の価額(または、権利が複合する場合の借地権等の価額)×借家権割合
 建物の所有者がモの宅地の転借権者である場合、転借権の価額×借家権割合

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